ARRL 10m DX コンテストが伸び悩み、早めにアンテナの張りなおしをした。今日の目的のひとつは小笠原に行っている齊藤さんとのローバンドQSOであった。
7MHzまでのギボシ端子接続ダイポールに80mバンドと160mバンドのエレメントを取り付け、伸縮ポールは最大の11mまで伸ばす。この状態でもトップバンドは大地の影響を受け中心周波数でもSWR-1.8ほどまでしか下がらない。1.9MHzから1.8MHzに移動するための追加エレメントは片側1.8mほどあり、同じトップバンドでありながら合っていないほうの周波数ではSWR-4.8まで悪化する。
設営が終わったところで、10MHzから3.5MHzまでを行ったり来たりしながら、聞こえる局を探して回る。国内移動局をコールしながら時間が過ぎていく。3.5MHzではアラスカ局もログインできた。19時近くなってパイルアップを発見し、ほどなくそのパイルアップを作っているのがJD1AHCだとわかった。充分に強力な信号を送り込んでくる。早速パイルアップに参加。呼んでいる皆さんには悪いが「/QRP」付きで呼ばせて頂いた。ほどなくピックアップされる。齊藤さんも待ちかねていたように、「20時に1.910で・・・」と打ってきた。いよいよTop band 2way QRP DX の可能性が見えてきた。アンテナをトップバンドに切り替えて待ちかまえるか?でも、しばらく時間があるのでこのまま3.5MHzを聞いていよう・・・だんだんコールする局が少なくなり、CQ空振りになった。
と、なんだか聞いたことのあるコールサインが聞こえる。「7K1CPT de JD1AHC・・・」私を呼んでいる。あわてて「R R de 7K1CPT・・・」と打ちだす。齊藤さんは呼ばれなくなったところで、今トップバンドに移ろうと提案してきた。即座にOKと答える。交信が終了したところで。アンテナを下げ、土手を走って1.9MHzのエレメントを接続する。1.910をワッチしてみるが、アマチュアの信号ではないQRMが大きい。受信しきれるだろうか?ちょっと不安になる。周波数を空けておきたい一心で何度か「VVV de 7K1CPT」と送信。K2の2VFOで1.8MHzも聞いてみたりした。1.910ではなにか気配を感じるものの符号にならない感じ。でもしばらく聞いていて、齊藤さんはこちらを呼んでくれているに違いないと確信を持った。このままでは交信できずに終わってしまうかもしれない。こちらの信号が齊藤さんに届いていることを祈って「JD1AHC de 7K1CPT HR VY QRM PSE QSY 1.812」と3度ほど打ち出した。VFOを切り替え1.812をワッチする。よわいながらもこちらを呼んでくれている齊藤さんの信号が聞こえてきた。「やった!」という気持ちとともに、エレメントを1.8用に切り替えていないことに不安がよぎる。でも、待たせていなくなってしまったら元も子もないので思い切って応答しRSTを送る。それを受けて齊藤さんからもRSTを送ってきた。やった!交信成立!DXバンドである1.8MHz帯あることに遠慮する気持ちもよぎったが、相手がDXということもあり、メッセージを何度か送りあい72で交信終了。終わったと同時にパイルアップがわき起こった。
この交信の間には、よくありがちなオンフレでチューニングをとったり送信確認でキャリアをだす局がまったくいなかった。皆さんしっかりワッチして交信が終わるのを待っていてくれたんだと思う。齊藤さんとトップバンドで交信できたことも大きな喜びだったが、交信終了をじっと待っていてくれた皆さんに感謝する気持ちもわきあがってきた。ありがとうございました。
なによりもトップバンドでの交信を気にかけていてくれた齊藤さんにもありがとうを伝えたい。交信の一つ一つに交信に至るまでのプロセスがあり、それを実現できたことで喜びも大きなものとなった。WW-CWでは齊藤さんに会えなかった。12月1日にやっと会えた10MHz。それから日没の時間にQRVできなかった1週間が長く感じた。最後の土曜日に発見し、3.5MHz→1.9MHz→1.8MHzと周波数を変えて交信にたどりついたTop band QSOは私にとって大きな価値のある交信となりました。
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