第11回A1クラブQSOパーティ結果発表
5月に開催されたQSOパーティの結果が発表されました。
http://a1club.net/events/PTY/2012/2012result.htm
今年は参加証応募の条件にコメント欄の記入が必須となりました。CW交信の楽しさなどを感じたら、それを形にして残したいという意思を反映したものです。おかげで例年以上に書き込みを行ってくれた方も多く、充実した結果となったと思います。その半面、参加証応募の条件としたことで、未記入の方や事務連絡に関する内容のみを書かれた方に再提出をお願いすることも少なくなく、苦労を感じた半面もありました。
無線に関したイベントは毎週末のようにおこなわれています。QSOパーティと名のつくイベントもいくつかありますが、定型の交換情報を送りあうものがほとんどです。A1クラブ独特の規約を作り開催してきました。交信の内容によっては広がりを持つことが出来るのはご参加いただいたみなさんも感じていることと思います。イベント開催の目的は「会話の道具としてのCWの活用」という面があります。私がCWを始めたころはラバースタンプと言われる定型の内容を送りあうことでお互いの紹介なども含めて情報交換が出来るものでした。今のCW入門は599BKという短い交信でQSOを成立させQSLカードを交換するような、コンテストやDXペディションとの交信に近いスタイルになってきています。このQSOパーティはそこから一歩踏み出した交信にふれることで、新しい世界を感じていただきたいという気持ちもあります。
ここで、間違っていただきたくないことがあります。私は599BKでのショートQSOを否定もしくは嫌悪しているわけではありません。むしろ好きな運用スタイルです。全体の交信の8割以上はコンテストやショートQSOでログを進めていると思います。ただ、開催されるイベントの趣旨がそのような交信での成果が中心とはなっていないということです。
CWはノイズすれすれの信号であっても、符号が認識出来れば交信が成立します。CWは飛びが良いと言われますが、実際にはSSBでも同じだけ電波は飛んでいるはずです。ただ、SSBなどの変調を伴った信号が内容がわからないような弱さであってもCWでは意思疎通が出来ることもあります。その辺が飛びが良いと言われている原因だと思います。自分がCWを始めたころにQRPクラブで提唱しているJA-QRP局同士の呼び出し周波数、7.003MHzをワッチすることを勧められました。そこで行われている交信は、弱いながらも自分の受信状態を相手に知らせ、交信内容の交換に役立つレポートを送り合い、了解度が悪ければそれをコピーしやすいようキーイングをしたり反復したりする、まさに交信でした。聞き取りにくいキーイングをする人は相手にされません。信号が弱くても相手に理解させるキーイングは勉強になりました。RST-229でも、ミスコピーしたところを相手に伝え、それを確認させるために反復するなど、まさに交信の原点だったような気がします。各局の信号も自作機などを使ったmWオーダーの交信が多かったですね。
7.003というとDX向けの周波数という印象もありますが、7MHzのコンディションを把握して、DXの入感の可能性が少ない日中の時間帯に混信の少ないバンドエッジでQRP局同士の交信をしようという意味だったと聞いています。充分にワッチしDXの信号が聞こえないことを確認してチャレンジした2xQRPのQSOは苦労もありましたが楽しい交信が多かったと思います。QRP送信機にダイレクトコンバージョン受信機で運用している局のすぐそばで電波を出し始める局もいて、わざわざここでCQを出さなくてもいいんじゃないの?とおもうこともしばしばありました。7MHzは夜間のDXバンドという面も持っていますので、夕方の日が落ちる時間が近づくとCQは出さないようにしていました。またCQを出すJA局がいても反応しないようにしていました。最近ではDXの入感する時間帯にも7.000~7.010のバンドエッジでもJAの信号が多く聞こえ、DXとの交信を優先するような秩序は感じられなくなってきている気がします。JA国内のコンディションも残っている時間帯ですから電波を出したいのはわかりますけど、なるべく上の方に移ったほうが良いのではないかと思います。
ちょっと話がそれてしまいました。第1回のQSOパーティは交信相手から使用している電鍵を聞き出すというかなりハードルの高い規約でスタートしました。自分が会話にチャレンジしようとしても相手が乗ってこなければ成果は残せません。そんな中でも果敢にチャレンジしてくれて成果を送ってくれた人もありましたが、参加者は少なかったように思います。それから使用電鍵符号などを採用したりして参加しやすい規約に変更したりしました。交信内容がコンテストのようになってきたことを危惧しさらに規約変更なども行いました。
599BKの短い交信はQSOパーティを行わなくとも経験できる場はいくらでもあります。現在ニューカマーにも参加しやすいようにレポート交換のみのショートQSOも得点となるような規約になっていますが、次回は規約の変更も考えたいと感じました。だからと言ってニューカマーを排除するわけではありません。初心者だって相手の名前を聞いたりすることは出来ます。リグやアンテナを聞き、電波の強さに納得したりすることも出来ます。QSOパーティはこの方向性を大切にして行きたいと思います。来年開催が継続されたときにはまた参加していただきたいと思います。参加の皆さんありがとうございました。
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コメント
パーティの集計、お疲れ様です。
コメントをじっくりと読みました。
JE1TRVさんのシャック内の一端が分かり、興味深いです。
小学校4年の少年の参加は、これからのCW界の発展と継続を予感させますね。
今後も続けましょう。
投稿: JA1BVA/JD1AHC 齊藤 | 2012年7月12日 (木) 11時48分
齊藤さん こんばんは
コメントありがとうございます。
小学4年生の参加はうれしいエントリーでしたね。なによりも、レポート交換だけでは無い交信を重ねているところが未来を感じさせてくれます。
参加証の送付が終わったらハムフェアにむけての準備が主軸になります。よろしくお願いいたします。
投稿: 7K1CPT/Yama | 2012年7月12日 (木) 20時07分
集計お疲れ様です。ログ喪失が残念でした。
週末、599BK以外のQSOは少ないですが、のんびり楽しく続けたいと思います。
投稿: UBL/Ken | 2012年7月13日 (金) 06時11分
Kenさん おはようございます。
PCの不具合は予防線を張ってログ等の大事なデータは無くさないよう注意しましょうね。これは自分にも言い聞かせます。
ショートQSOもロングラグチューも楽しんで行きましょう。交信することが楽しいと感じ続ければスキルや腕も上がってくると思います。
投稿: 7K1CPT/Yama | 2012年7月13日 (金) 08時39分
CPTさん、集計お疲れ様でした。
来年も忘れなければ(?)また参加したいです。
ラバスタQSOをできるだけやろうと思います。
結構ボロボロになってしまいますが・・・。
ラバスタと言えども、こういう時どう打つんだろう・・?
と思うことが多いです。
もう少し勉強が必要のようです。
投稿: JN1NCB /mat | 2012年7月14日 (土) 09時10分
Matさん こんばんは
ご参加ありがとうございました。
ぜひCW交信を楽しんでください。文章の組み立てがわからなかったときはなるべく早く答えを確認したほうが良いと思います。そして次の機会にそれが出てくれば身につきますよ。
ラグチューは奥が深いですが、やっている人はみんなビギナーの時代を通ってきています。頑張りましょう。
投稿: 7K1CPT/Yama | 2012年7月15日 (日) 01時15分