国内向けに移動運用をしているときは積極的にCQを出しています。同じように移動されている方も少なくないと思います。呼びに回っているときはよく感じることなんですが、コールサインを打たずにパイルアップを受け続けている局がいて、呼ぶに呼べない状況に遭遇することが多いと感じます。沢山呼ばれているときはあせってしまうこともあるのでしょうが、CQを出している局が自分のコールサインを打たずに各局からのコールを待つというスタイルは、エンドレスコールを助長しているようで、結果的に1交信に時間がかかり、ワッチしてその周波数を見つけた局にとっては、フラストレーションを与える原因にもなります。(電波法に準じない運用という話は、この際置いておきます)そんな状況を思いながら、どうしたらスマートに交信を重ねられるかを実践していったことで、なんとなくまとまってきたように思います。そのスタイルを文章で伝えることが出来るか?チャレンジしてみます。
CQは、移動地を含んだスタイルで「コールサイン+移動地」をメッセージメモリーに打ち込んでおきます。呼ばれたらすぐに反応します。まあそれは普通のことですね。599BKのショートQSOスタイルでは、先ほど呼ばれたときに信号が1局だけだと持ったらTUと打ち終わった後に、メモリーのスイッチを押してCQを送信します。もし、交信した相手が最初にコールしてくれたときに信号の裏で他の信号を認知していたら、メモリースイッチを押さずに「de 7K1CPT K」と打ち、コールを待ちます。聞いていて待っていてくれた相手を最優先でピックアップすることが出来ます。
具体的な違いを書くと、他の信号を認知していないときは
「TU DE 7K1CPT/1 JCC○○○○ K」となり、
他の信号を認知しているときは
「TU DE 7K1CPT/1 K」となります。
聞いていてくれる局が、当該周波数でVFOを止め、コールを待機してくれている局が増えると、この交信終了後の呼び出しが複数になって、時にはパイルアップと呼ばれる状態になります。そんなときでも上に書いた2番目のタイミングで必ずコールサインを打ち出します。せっかちな方は「TU」の直後にコールをする場合も少なくないようですが、こちらは1交信1ID送出を守るために、必ず上のどちらかを送信します。そうなるとせっかちな方の送信はこちらの送信にかぶってしまうので、こちらとしてはどんなことがあってもコピーできないという状態になります。でもこちらの送信を聞いている人は、こちらの「K」の直後に送信してきますから、コピーできるということにあります。つまり、聞いていないで送信する方はいつまでたってもピックアップできない。順番が回ってこないということになります。
こういった運用が認知されてくると、しっかりと聞いてコールしてくれる方が増えてきます。もちろん信号が重なれば、コピーしにくくなることはありますが、沢山の信号の中から自分の耳(とリグの性能・操作)で特定の信号を拾い上げることは、パイルアップをこなす醍醐味といえるかもしれません。
一発でフルコールコピーできない場合でも、拾った符号だけでも、特定して反応することは大切です。「XYZ ?」みたいな感じです。まったく取れなくても、再送を待つよりは「AGN ?」で、再送を促すようにしています。それは複数回送信やエンドレスコールを抑えることにつながります。
何度も交信していただいている相手には「TU」を送りあいたいという気持は出てきます。具体的に言うと、
自分 「R 73 TU E E」
相手 「TU E E」
自分 「TU DE ・・・」
という感じですが、待っている局が多いとこちらが「TU E E」と打った次点で、他からのコールが重なってくるので、結局交信相手からの「TU E E」もむなしくかき消されてしまいます。
パイルアップになっているときは、遠慮なく、レポートを受け取った後には「R TU DE 7K1CPT/1 K」と打って次の交信への待機に移ります。このスタイルは、冷たい運用という感じを受ける人もいるかもしれませんが、相手に対して失礼だというようには思われないという一般的な考えです。どうしても、「TU」を送りあいたいと思う場合は、「TU BK」(もしくは TU KN)というようにBKでつなぎ、交信が継続しているという形にして、他からの呼び出しを抑制するようにすると良いと思います。
このスタイルでは、1交信・1ID送出を守っています。そして、待っている局が信号を送信するタイミングを「K」の後ですよと明示しています。これによって、ID送出をしない運用局に対して起こるようなピックアップされるまで送信をやめないエンドレスコールを抑えることができます。結果的に1交信にかかる時間が短縮されることになるので、ログに残せる交信もふやせることになります。なによりも、待っている人にストレスを残さないということにつながると思います。人によっては、「コールサインは3交信~5交信に一度は出しているよ」と言う方もいらっしゃいます。でも、コールサインを送出しないタイミングがある以上、エンドレスコールを抑制する力はありません。結果的にパイルが大きいほど、特定の局をピックアップしてレポートを送ってもエンドレスコールがそれをマスクしてしまって、ピックアップした相手がそれを認識できなかったり、コールサインのミスコピーを不安に思い、自分のコールサインを再送信することになり、1交信にかかる時間が長くなります。そんな状況を耳にすることはありませんか?私はワッチしている最中にはよく聞くような気がします(というか順番待ちしていることが多いので、良く聞きます) 受信やキーイングが上手な局でも、交信数が伸びない方もいるような気がします。それは運用の進め方が、どこかリズム感を作れないオペレーションといえるのかもしれません。私が呼びまわりしているときは、リズム感のある交信を重ねている局はいくらでも待てるような気がします。逆にID送出をしないで、パイルアップに振り回されている周波数には長くとどまる気がしません。みなさんはいかがでしょう?
このスタイルを使うようになって、「?」を打たれることはなくなりました。「?」とかぶせてくる信号に限って強いんですよね。特定のこの信号を拾おうと意識がいっているときにそコピーを妨げる「コールサインを付さない送信」は妨害と同じという意識があります。それがなくなるということは、自分のオペレーションがしやすくなるということにつながります。
上のほうで書いたように、呼んでくれている信号が認識できているときには、QTHの情報は付していません。パイルアップが続くときには10分以上QTHを送信していないときもあります。(でもコールサインは打っていますよ) そんなときに出てくるのは「QTH?」を打ってくる信号です。これも、他の信号の受信を妨げる妨害と認識しています。だからこの送信に対しては反応しません。まず、最初にコールサインを送出すべきと思います。そして自分のターンになったら(ピックアップされたら)、レポートの後に「QTH ?」を付加すべきです。そういうオペレーションに対しては、相手がコピーしたと返事が来るまで、QTHの情報を送信します。送りっぱなしではなく、相手から「R」が返ってくるまでその局との交信を終わりにしません。確実に情報を送受信するということは、相手の打ったことをオウム返しにすることではなく、こういうことだろうと認識しています。
「QTH ?」を打ってくる局は、ある程度できる人なんだろうと思います。こちらが受信になっているときに送信してきますから・・・。でもそれが受信の妨害につながるんですよね。せめて、「QTH ? DE JA○○○○」とか打ってくれたら、その信号が妨害とは認識せず、反応しますけどね。(誰なんでしょうね? 知っている人がいたらこっそり教えてください hi)
1交信・1ID送出は運用のスキルアップにつながり、交信を重ねることを楽しくさせてくれます。IDを送信するタイミングの前に呼ばれてしまうんだよと言う方は、呼んでくる信号に気を取られず、送信を開始してしまいましょう。そのうち自分の受信タイミングに合わせて送信してくれるようになってきます。(タイミングが合わないと交信できませんからね)
えらそうなことを書いていますが、ID送信の無い(少ない)局とはまったく交信しないかといえばそうともいえません。やはり交信したいと思う相手はいますからね。でも良くワッチします。相手のコールサインは確認したうえで呼び始めるようにしています。また、相手がピックアップする信号の状況を認識します。パイルの後ろにこぼれた符号しか拾えない相手に対してはディレイで呼ぶこともありますし、パイルの中では信号がピックアップできず静かになったときに呼んだ局だけが交信できる場合には静かになったときにここぞと言うタイミングでコールサインを打つこともあります。これはエンドレスコールで呼ぶわけではありませんね。そのタイミングでしか交信できる可能性が低いと判断したから送信するわけで、フルブレークインで、相手が送信を開始したと思えたときにはすぐに送信をストップします。他局が交信を開始したときには不要な送信を行なわず、クリアな状態で交信を終わらせることに協力することが自分の順番を早めるために有効な手段と言うことになります。けっして「拾われるまでコールサインを送出す続ける」ということが、交信につながるということにはならないのです。
受信周波数をRITを使ってずらし、明瞭度の高くなる信号をRITで探る運用も増えてきているようです。ピックアップされた信号の周波数を聞き分け、XIT機能を使って、送信周波数をずらすコールも有効な場合があります。短い交信の中にもいろいろと感じ、考えてコールすることが楽しいと感じます。
ちょっと長文になりました。
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