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2015年3月24日 (火)

ショートQSO時のCWオペレーション

 国内向けに移動運用をしているときは積極的にCQを出しています。同じように移動されている方も少なくないと思います。呼びに回っているときはよく感じることなんですが、コールサインを打たずにパイルアップを受け続けている局がいて、呼ぶに呼べない状況に遭遇することが多いと感じます。沢山呼ばれているときはあせってしまうこともあるのでしょうが、CQを出している局が自分のコールサインを打たずに各局からのコールを待つというスタイルは、エンドレスコールを助長しているようで、結果的に1交信に時間がかかり、ワッチしてその周波数を見つけた局にとっては、フラストレーションを与える原因にもなります。(電波法に準じない運用という話は、この際置いておきます)そんな状況を思いながら、どうしたらスマートに交信を重ねられるかを実践していったことで、なんとなくまとまってきたように思います。そのスタイルを文章で伝えることが出来るか?チャレンジしてみます。

 CQは、移動地を含んだスタイルで「コールサイン+移動地」をメッセージメモリーに打ち込んでおきます。呼ばれたらすぐに反応します。まあそれは普通のことですね。599BKのショートQSOスタイルでは、先ほど呼ばれたときに信号が1局だけだと持ったらTUと打ち終わった後に、メモリーのスイッチを押してCQを送信します。もし、交信した相手が最初にコールしてくれたときに信号の裏で他の信号を認知していたら、メモリースイッチを押さずに「de 7K1CPT K」と打ち、コールを待ちます。聞いていて待っていてくれた相手を最優先でピックアップすることが出来ます。

具体的な違いを書くと、他の信号を認知していないときは
「TU  DE  7K1CPT/1  JCC○○○○  K」となり、
他の信号を認知しているときは
「TU  DE 7K1CPT/1  K」となります。

 聞いていてくれる局が、当該周波数でVFOを止め、コールを待機してくれている局が増えると、この交信終了後の呼び出しが複数になって、時にはパイルアップと呼ばれる状態になります。そんなときでも上に書いた2番目のタイミングで必ずコールサインを打ち出します。せっかちな方は「TU」の直後にコールをする場合も少なくないようですが、こちらは1交信1ID送出を守るために、必ず上のどちらかを送信します。そうなるとせっかちな方の送信はこちらの送信にかぶってしまうので、こちらとしてはどんなことがあってもコピーできないという状態になります。でもこちらの送信を聞いている人は、こちらの「K」の直後に送信してきますから、コピーできるということにあります。つまり、聞いていないで送信する方はいつまでたってもピックアップできない。順番が回ってこないということになります。

 こういった運用が認知されてくると、しっかりと聞いてコールしてくれる方が増えてきます。もちろん信号が重なれば、コピーしにくくなることはありますが、沢山の信号の中から自分の耳(とリグの性能・操作)で特定の信号を拾い上げることは、パイルアップをこなす醍醐味といえるかもしれません。

 一発でフルコールコピーできない場合でも、拾った符号だけでも、特定して反応することは大切です。「XYZ ?」みたいな感じです。まったく取れなくても、再送を待つよりは「AGN  ?」で、再送を促すようにしています。それは複数回送信やエンドレスコールを抑えることにつながります。

 何度も交信していただいている相手には「TU」を送りあいたいという気持は出てきます。具体的に言うと、
自分 「R  73  TU E  E」
相手 「TU  E  E」
自分 「TU  DE ・・・」
という感じですが、待っている局が多いとこちらが「TU  E  E」と打った次点で、他からのコールが重なってくるので、結局交信相手からの「TU  E  E」もむなしくかき消されてしまいます。
パイルアップになっているときは、遠慮なく、レポートを受け取った後には「R  TU  DE 7K1CPT/1 K」と打って次の交信への待機に移ります。このスタイルは、冷たい運用という感じを受ける人もいるかもしれませんが、相手に対して失礼だというようには思われないという一般的な考えです。どうしても、「TU」を送りあいたいと思う場合は、「TU  BK」(もしくは TU  KN)というようにBKでつなぎ、交信が継続しているという形にして、他からの呼び出しを抑制するようにすると良いと思います。

 このスタイルでは、1交信・1ID送出を守っています。そして、待っている局が信号を送信するタイミングを「K」の後ですよと明示しています。これによって、ID送出をしない運用局に対して起こるようなピックアップされるまで送信をやめないエンドレスコールを抑えることができます。結果的に1交信にかかる時間が短縮されることになるので、ログに残せる交信もふやせることになります。なによりも、待っている人にストレスを残さないということにつながると思います。人によっては、「コールサインは3交信~5交信に一度は出しているよ」と言う方もいらっしゃいます。でも、コールサインを送出しないタイミングがある以上、エンドレスコールを抑制する力はありません。結果的にパイルが大きいほど、特定の局をピックアップしてレポートを送ってもエンドレスコールがそれをマスクしてしまって、ピックアップした相手がそれを認識できなかったり、コールサインのミスコピーを不安に思い、自分のコールサインを再送信することになり、1交信にかかる時間が長くなります。そんな状況を耳にすることはありませんか?私はワッチしている最中にはよく聞くような気がします(というか順番待ちしていることが多いので、良く聞きます) 受信やキーイングが上手な局でも、交信数が伸びない方もいるような気がします。それは運用の進め方が、どこかリズム感を作れないオペレーションといえるのかもしれません。私が呼びまわりしているときは、リズム感のある交信を重ねている局はいくらでも待てるような気がします。逆にID送出をしないで、パイルアップに振り回されている周波数には長くとどまる気がしません。みなさんはいかがでしょう?

 このスタイルを使うようになって、「?」を打たれることはなくなりました。「?」とかぶせてくる信号に限って強いんですよね。特定のこの信号を拾おうと意識がいっているときにそコピーを妨げる「コールサインを付さない送信」は妨害と同じという意識があります。それがなくなるということは、自分のオペレーションがしやすくなるということにつながります。

 上のほうで書いたように、呼んでくれている信号が認識できているときには、QTHの情報は付していません。パイルアップが続くときには10分以上QTHを送信していないときもあります。(でもコールサインは打っていますよ) そんなときに出てくるのは「QTH?」を打ってくる信号です。これも、他の信号の受信を妨げる妨害と認識しています。だからこの送信に対しては反応しません。まず、最初にコールサインを送出すべきと思います。そして自分のターンになったら(ピックアップされたら)、レポートの後に「QTH ?」を付加すべきです。そういうオペレーションに対しては、相手がコピーしたと返事が来るまで、QTHの情報を送信します。送りっぱなしではなく、相手から「R」が返ってくるまでその局との交信を終わりにしません。確実に情報を送受信するということは、相手の打ったことをオウム返しにすることではなく、こういうことだろうと認識しています。

 「QTH ?」を打ってくる局は、ある程度できる人なんだろうと思います。こちらが受信になっているときに送信してきますから・・・。でもそれが受信の妨害につながるんですよね。せめて、「QTH  ?  DE JA○○○○」とか打ってくれたら、その信号が妨害とは認識せず、反応しますけどね。(誰なんでしょうね? 知っている人がいたらこっそり教えてください hi)

 1交信・1ID送出は運用のスキルアップにつながり、交信を重ねることを楽しくさせてくれます。IDを送信するタイミングの前に呼ばれてしまうんだよと言う方は、呼んでくる信号に気を取られず、送信を開始してしまいましょう。そのうち自分の受信タイミングに合わせて送信してくれるようになってきます。(タイミングが合わないと交信できませんからね)

 えらそうなことを書いていますが、ID送信の無い(少ない)局とはまったく交信しないかといえばそうともいえません。やはり交信したいと思う相手はいますからね。でも良くワッチします。相手のコールサインは確認したうえで呼び始めるようにしています。また、相手がピックアップする信号の状況を認識します。パイルの後ろにこぼれた符号しか拾えない相手に対してはディレイで呼ぶこともありますし、パイルの中では信号がピックアップできず静かになったときに呼んだ局だけが交信できる場合には静かになったときにここぞと言うタイミングでコールサインを打つこともあります。これはエンドレスコールで呼ぶわけではありませんね。そのタイミングでしか交信できる可能性が低いと判断したから送信するわけで、フルブレークインで、相手が送信を開始したと思えたときにはすぐに送信をストップします。他局が交信を開始したときには不要な送信を行なわず、クリアな状態で交信を終わらせることに協力することが自分の順番を早めるために有効な手段と言うことになります。けっして「拾われるまでコールサインを送出す続ける」ということが、交信につながるということにはならないのです。

 受信周波数をRITを使ってずらし、明瞭度の高くなる信号をRITで探る運用も増えてきているようです。ピックアップされた信号の周波数を聞き分け、XIT機能を使って、送信周波数をずらすコールも有効な場合があります。短い交信の中にもいろいろと感じ、考えてコールすることが楽しいと感じます。

 ちょっと長文になりました。

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コメント

こんにちは。
全くおっしゃる通りだと思います。
1QSO、1IDは必須です。
良く聞くのは、交信終了後、お互いに、
TU E E
TU E E
で終わってしまうことですね。
パイルを受けている場合は、相手が、
TU E E
と送ってきたら、
TU DE JK1TCV/1 QRZ?
と必ず入れるとロングコールが収まると思います。
私もそのことはCOOLととらえていなく、
むしろスマートと考えています。

投稿: JK1TCV/kazu | 2015年3月24日 (火) 12時07分

Kazuさん こんにちは

コメントいただきありがとうございます。予想外に早い書込みがあったので驚きました hi

「TU E E」で終わる交信は運用を終わろうとしているのか、他の呼び出しを待っているのかわからないところがありますね。ほとんどは後者かもしれませんが・・・。終わるならCLと打ったほうが良いし、続けるならその意思を明示したほうが良いと思います。そういう意味で、Kazuさんのやりかたも正解のひとつかと思います。

Kazuさんのおっしゃるとおり、クールというよりはスマートといえると思います。書き込みをいただいたときに、COOLという言葉を思い返して、「かっこいい」という意味でも使われているなぁと思い出して、本文を書き直しました。ありがとうございます。

TPOに合わせて「E E」も使いたいですね。

投稿: 7K1CPT/Yama | 2015年3月24日 (火) 12時49分

Yamaさんこんにちは。いつもQSOありがとうございます。最近7K1と来たらPASさん、もしくはPTTさんと連想しちゃうので、調べてみたら2年以上お目に掛かっていませんでした・・・

私もいつからかIDを毎回打つようになりましたが、確かRNN師匠のOPを見たEAW師匠が「師匠はさすがにうまかった。毎回IDもちゃんと打っててパイル捌きも絶品だった」と言っていたのを聞いて、真似をしたのが最初だったと思います。

6mなどEsが短時間の場合はIDが少なくなるのも致し方ないと思っていたのですが、実際のところ呼ぶ側もタイミングが難しいんですよね。聞こえない局がいつ送信し終わったかがわからないので、呼んだときはまだ「73 TU」の真っ最中だったり。

私は「呼ばれたい症候群」なのでちょいと珍しいところや最近アクティビティが無いところに好んで移動しますが、その分パイルになることも多くなります。Yamaさんご指摘の通り、呼んで頂く側の事を考えれば、1QSO1IDが最もテンポ良く、こちらでパイルをコントロールする最善の手段だと感じています。

というわけで細々と頑張っていますのでまた呼んでやって下さい(^^;

投稿: JO3OMA | 2015年3月24日 (火) 18時04分

JO3OMAさん こんばんは

コメントありがとうございます。また、ご無沙汰しております。

週末には仕事があることが多く、休みが取れると呼ばれる側の運用をしに出かけてしまうことも多々あり、タイミングが合わないとすれ違いが続くこともありますね。ぜひどこかでお相手いただければ嬉しいかなと思います。

RNNさんもEAWさんも私が無線を始めた頃にはご活躍だったんじゃないかと思います。特にRNNさんは、コンテストなどで早い時期から拾っていただいていたと思います。(順番待ちはあったと思いますが・・・hi)

PASさんもPTTさんも移動の際には呼んでいただき、お世話になっています。DXの呼びまわりをしていると、よくPTTさんと間違われますね hi

私はどちらかというとDXぺディションのOPさんを聞いてまねしたような気がしています。すばらしいオペレーションは呼ぶ人を飽きさせず、それでいてスピーディな交信を重ねていることをしばしば耳にしますね。もっとも全てのOPが良いわけではなく、パイルアップをこなしきれないOPもいるわけですが、どこが違うのかと聞き比べてみると、やはりコールサイン送出をしているか否か? 呼ぶタイミングを呼ぶ側に感じさせているか?というところにたどりつきます。

自分のコールサインを打てずにそのまま呼ばれてしまうのは、パイルアップにあたふたして、振り回されている情景が目に浮かびます。でも、そんなことは誰でも通るところだと思います。そこを乗り越えてさらに良いOPになろうとするか、呼ばれているだけでとどまってしまうかで、CWの運用がどれだけ楽しいものだと気づくかどうかの違いが出てくると思います。コメントを拝見するとJO3OMAさんはすでにハードルを乗り越えて呼ばれることが楽しくなっていると感じます。実際に楽しいですよね。新しい交信相手になかなか会えず、JCCも必要なくなってもやはり7MHzでCQ出してしまいます hi

6mやハイバンドでの運用は、1エリアあたりだとコンディションがオープンしたときの呼ばれ方は6や8エリアと比較すれば、やはり呼ぶ側になってしまうことが少なくないですね。それこそ呼ぶタイミングを知らせることが、大切なオペレーション技術であることはJO3OMAさんの書かれているとおりだと思います。

ぜひお空でもよろしくお願いいたします。もしかしたら何度も見つけて呼んでいながら、パイルを抜けずに時間切れになっていることがあったかもしれません。基本はQRPなので・・・hi
ご活躍を願っています 73

投稿: 7K1CPT/Yama | 2015年3月24日 (火) 20時53分

こんばんは。
私も先日の移動時に1交信1IDを意識して実践してみました。1交信ごとにIDを出した方がリズムが良くなるのと、「?」などを打たれなくなりますので、OPに集中できるように感じました。クラスタに上がっている時などでもIDを頻繁に出すことによって呼び倒しの抑制にもなると思います。
とは言っても、私もまだまだ不慣れな部分がありますので、そちらをどうにかするのが先なのですが(^-^;

投稿: JA1OTP | 2015年3月24日 (火) 21時51分

JA1OTPさん こんにちは

すでに実践されているようですね。FBです。「?」がいなくなるのは良い効果ですよね。
1交信・1ID送出のスタイルは、コンテストでのパイルアップコントロールにも有効なスタイルでもあり、コンテストの運用が通常の移動運用のオペレーションを効率よくこなせるようになるという相乗効果があると思います。ぜひ楽しまれてください。

投稿: 7K1CPT/Yama | 2015年3月25日 (水) 04時27分

私も1交信1IDを心がけています。
先週の運用でも、ほぼほぼCPTさんのスタイルだったでしょうか?
但し、どうしても強い局優先になっている気がして、何か上手く弱い局が拾えないかとは思っていますが。
例えば、自宅からのCPTさんとか。(^^;

投稿: JM1EKM | 2015年3月28日 (土) 10時48分

JM1EKMさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

意外と交信を重ねるのが楽しい感じがするでしょう? CQを出している自分がコントロールしている感じが持てると思います。

弱い私に気を使ってくれてありがとうございます。基本的に弱い信号を先に拾うのは難しいと思います。プリフィックスだけでも拾ったら部分指定して、指定無視は絶対に対応しない姿勢をみせることは大事かなと思います。

強い信号からでもテキパキこなし、弱い局でも順番が回って来るような期待を持たせるのは良いと思います。

/QRPは人によっては優先して拾う人もいますが、私の場合後ろにこぼれた/QRPを拾う前に数文字拾ってログに入力している場合が多いので弱い信号を優先して拾うようにはなっていないかもしれませんね。

投稿: 7K1CPT/Yama | 2015年3月28日 (土) 15時22分

こんばんは。早速実験運用してきました。
結果から言うとテンポよく運用が出来て、運用者も気が楽になりした。それでも打ち込んでくる局には無視して送出しましたら、パイルは大きくならずに済みますね。
ただ、QRPや弱い局はどうしても後回しになってしまいます。次はこの点を克服しようと妄想中ですhi

投稿: JQ1BYM | 2015年3月30日 (月) 19時10分

JQ1BYMさん こんにちは

1交信・1-ID送信を実践されているようですね。FBです。パイルアップをコントロールする用になると、599BKも楽しくなると思います。

ロングコールをしても相手にされないことが周知されてくると、みなさんワンショットコールになってきますね。こちらの交信を聞いてくれるようになるので、交信がスムーズに進みます。2回以上コールを打つ人を後回しにすることが、うまく交信を進めるキーポイントのような気がします。

JM1EKMさんへのお返事で書きましたが、弱い信号は、相手との距離とコンディションの関係で、なかなか難しいところがありますね。でも、コンディションが変化する前にパイルアップを小さくするようログを進めることで、交信のチャンスが増えてくると思います。

QRPに好意的に対応していただくのはQRPをやっている人にとっては嬉しいことですね。パイルがワンショットコールで聞いてくれるようになると、ほとんどの/QRPつきの信号が後ろにこぼれてきます。CQを出している側の意思として/QRPに対して先に応答するのはありかと思います。

ただ私の場合、上の返信に書いたように、率先して/QRPを拾うのではなくコールサインの一部でも拾った相手を優先してしまいますから、/QRPしか聞こえなかった場合優先せずに進めたりしています、でもQRP局は自分の意思で弱い電波で交信しようとしてくれていますから、待っていただけることも少なくないですね。私が呼ぶ側のときは、どうしても交信したいと思ったらやっぱりチャンスが来るまで待ちます。

楽しんで交信し、楽しみながらスキルアップしましょう。
73

投稿: 7K1CPT/Yama | 2015年3月31日 (火) 06時01分

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