TX0T
分割で新しいIOTAナンバーが付けられた島からの運用が前日から始まった。無事現地に到着したことは喜ばしいことだし、JAに対しても好意的に運用してくれることが期待できるような話もあって、信号が強くなる時はあるだろうということで迎撃移動に出発した。できることなら翌日の予定のためにもなるべく早く交信して、安心したかった。そして早めに帰宅することが今日の目標でもあった。さいたま市桜区の土手上にメインとなりそうな14MHzデルタループを上げ、ステーとしたダイポール。この2本のアンテナで何とかしたいところだが、ダイポールはちょっと相手の方向から外れているかもしれない。
朝のうちに14MHz-CWで発見した。でもちょっと信号が弱く感じられる。どうも北米向けで運用しているように思える。そのうち強くなるだろうと思い、ダイポールのほうで7MHzに合わせ、国内向けに運用している局を呼び回る。ちょっと時間が経つと14MHzのほうをチェックしに行くという感じ。なかなか信号が強くなってくれない。そろそろ強くなってくれるかなという時間に信号が消えてしまった。あれ?DXクラスターで行き先を探す。14MHz-SSBとか18MHz-SSBと書かれていて、そちらを聞きに行ってみるものの信号は確認できない。とりあえず14MHz-CWの運用周波数付近で待つことにする。
待っている間が暇だったので、ダイポールのほうをFT-991に接続してFT8の状況を見てみる。21MHzでは南米方面が少し受信できていたが、呼んでもなかなかとってもらえない。18MHzも含めて、近場でも未交信の局を呼んでログを進めたりしていた。14MHzが交信の可能性が高そうだが、こちらは今日のターゲットのためにK3で受信し続ける。21MHzで交信相手を探していた時に、青いラインが突然プリントされた。(JTDXの設定で、オールバンド未交信のDXCCエンテティは青く表示されるようにしている)5Hタンザニアだ。まあまあ強いような気もするが-10dB以下の信号は呼んでも返事が無いことが多い。ダメ元で呼んでみる。やっぱりダメかな?あきらめて送信をやめた1週後にいきなりこちらにレポートを送るラインが見えた! あれ?驚いてすぐに返信をする。こういう時の15秒+15秒の長く感じることと言ったらない。相手が受信できていれば返事のために送信している時間が終わりに近づいてくる。うまく進んでくれ・・・。OKだ。交信成立させることができた。CWでは交信済みのタンザニアだったがDATAでは初交信かもしれない。待っているうちに思わぬ拾いものをした感じだった。
TX0Tはまだ聞こえてこない。どこにいるだろう?クラスターを見ると7MHzと出ている。あれ?これも予想に反して、7MHzか?とりあえず聞きに行く。弱いながらも信号が確認できた。でも発見したときから「EU」連発。JAのチャンスはないようだ。行儀よく待っている。たまに「EU」を打たないと、いきなりJAからコールが出される。みんな行儀よく待っているんだろうなぁ。それでも1局交信するとまたEUを打ち始める。交信効率は決して良くないような気がする。DUPEの局が何度も呼んでくるようだ。DUPEを許さない姿勢はOPの性格なのかもしれない。なかなか呼ぶチャンスがやってこないまま時間だけが過ぎる。今日はJAを拾ってくれるつまりは無いのだろうか?信号が強くなってくるとまた消えてしまった。
午前中のチャンスに交信できるよう気合を入れていたのだが、交信できないまま夕方になってくる。発電機の予備ガソリンを使うとは思っていなかったので給油をせずに来てしまった。予備タンクの中のガソリンも無くなってしまっている。DXクラスターに10MHzと出てきた。まだEU狙いのようだ。ダイポールを合わせて聞いてみるといまいち信号が強くならない。今日の交信は無理なのかな?と思っているうちに発電機があおり始めた。ガス欠だ。まいった。このまま撤収するのも悔しい。車のエンジンをかけ電源を取り、10MHzのワッチを続ける。今日初めて「CQ ALL」を聞いた。頑張って呼んでみるもののなかなか拾ってもらえない。そのうちまた消えてしまった。だめかな?
そのまま待っていると先ほどとは段違いに強い信号が聞こえてきた。コンディションが激変したのか? それとも西回りのEU向けにアンテナを向けたのだろうか? JAが1局拾われる。その周波数に合わせてコールし一瞬間が空いたと思ったら自分のコールサインが聞こえてきた! 「7K1CP T 5NN」やった!こちらからも「R 5NN TU」この瞬間のために結果的に10時間もかかってしまった。交信できてみるとあっけないぐらいの時間だった。安堵の気持ちとともに翌日の予定に向けて早く帰ろうと、リグの電源を切り撤収を開始した。
新しいナンバーのIOTAが設定されるとその運用を有効とするため1000交信・5大陸・DXCCエンテティなどノルマが大きいようだ。でも、もう少し待っている人にチャンスを作ってくれるような運用を行ってほしいと思う。EUやNA狙いなら、余計な信号を出さずに行儀よく待っている局もいるのだから。EU指定しながらもVEやVKに呼ばれるとすぐに答える。UA0が呼んでも交信する。でもJAが呼ぶと「QRX NW EU EU・・・」これを一日中聞き続けたのだからこちらとしてはたまらない。今回は事後ドネーションも出す気にならない。最低限の費用でQSLをCFMしたい気分になった。
11/5 記
最近のコメント