同人誌「山と無線」の参加者による一斉移動が提案され、運用日となった。参加したいと思いながらもなかなか場所が決まらない。運用スタイルも決まらない。前日の夜に、電車で行ける場所、行ったことのない場所として、秩父郡横瀬町の川越山を考えMLに投げた。選択の理由は、それだけではなかった。宅配の不在持ち帰りが2件もあり、これを受け取るには不参加になるか?と思ってしまった。宅配の再配達を遅い時間に設定して、それまでに返ってこられる山を選択したというのが本音の部分ではあった。そして週末のハイキングは賑やかだろう。一般のハイカーの邪魔にならない無線の運用となれば、人の集まらない場所を選択することが、安心して無線ができるということにつながるかもしれない。
6時ごろに自宅を出発した。早めに到着できれば早めに終われるという考えもあった。ただ読みが浅かった。西武池袋線の乗り換えに時間のロスが大きかった。遠くまで行かない各駅停車を次の電車に乗り換える。それもそこから各駅停車になる。極めつけは飯能駅で西武秩父線に乗り換える際、次の出発が30分後というタイミングの悪さ。待っている間に池袋方面から到着する電車2本がハイカーたちをはきだして、ホームはけっこうな人だかりになっていた。結局、正丸駅までの時間は普段の45分増しという感じになった。
正丸駅はかなりの人が下りていた。トイレは長蛇の列。これがみんな一斉に歩き始めたらいやだなぁと思い、早めに駅から歩き始める。自分なりに良いペースで進んではいるものの、多少はペースの早い人に追い越される。それでも慌てずしっかりと正丸峠までたどり着く。思ったほど人が多くない。大半の人が大倉山コースで伊豆が岳直登を選択したのかもしれない。
10分ほど休憩して正丸山方面に向かって登り始める。不人気コースの様でこちらを選択する人がほとんどいない。一人で歩いているとトレイルランかなと思える人が追い越していった。
以前運用した正丸山に到着。山頂標識の写真を撮ってすぐに先へ進む。ここからは未踏の地なので、少し顔を上げ目にして周りの景色を見ながら進む。すぐに一つ目のピークに到着するがいくら何でも近すぎる。YAMAPで現在位置を確認すると、やはり目的地はもう少し先の様だ。迷わず進める。ありがたいツールだ。そして目的地の川越山に到着する。 山頂標識前で写真を撮ってから無線の準備を始める。林に囲まれているが、運用できるスペースは広く、選択しやすい感じがした。この場所なら6mのヘンテナでも挙げられたかもしれない。ただ、想定していた運用の最初は1200MHz。DJ-G7と3eleをセットして運用を開始した。(写真撮り忘れ)あまり聞いている人がいないのか?CQ空振りが続く。やっと1局お声がけがある。のんびり交信。そしてまた空振り。やっと2局目。そしてファイナルを送るぐらいになってバッテリーが上がってしまった。充電できていたと思っていたが、不足だったようだ。使用していなくても弱電力が流れているのだろうか?再充電を前日にやらなかったのが敗因だったかもしれない。
気を取り直してIC-705に2eleを付けて430MHzの運用を開始する。セッティングの間周波数を合わせ使用していないことを確認していた433.02という呼び出し周波数のすぐ隣で運用を開始することができた。こちらはテンポよく交信を重ねられた。ハイパワーバッテリーでは5Wのフルパワーで運用していた。そろそろバッテリーも終わりかなというときに予備の標準バッテリーに交換したところで、出力を2Wに下げて運用を続ける。それでもまあまあ交信できるなぁというところで、どうもタイミングが合わない信号が聞こえてきた。聞き覚えのある声に反応して「こちらを呼んでますか?」と送信しても返事が返ってこない。すると別の信号が「混信してるよ」と発している。どうやら7エリアから運用を始めたようだ。こちらからその信号は聞こえず、あちらにも届いていないのだろう。ずっと使っているのだからと意地になって運用を継続することも考えられるが、ここで争っても何も解決しないと思える。あっさり引いてしまった。2Wという出力は輻射される信号の強さが原因で弊害も起こりえる。だからこそQRPやQRPpで交信を成立させたい時などは極力余計なことを付加せずできるだけ簡潔に必要なことを伝えるのがマナーと言えるのかもしれない。とあらためて感じた。
周波数を離れたことで、山と無線一斉移動の局が出ていないかとVFOを回してみたが、時間が遅かったのかうまく見つけることができなかった。信号の強かった局を1局コールして終了となった。
下山は旧正丸峠を経て下山する周回ルートをたどってみた。未踏のルートなので、どんな景色が広がるのか楽しみなところもある。下り始めると急な階段が現れてゆっくり降りて行った先が旧正丸峠だった。この先は森の中を淡々と下る。一度舗装路に出て数10m歩くとまた森の中というか川沿いを下るルートになる。足元に気を付けて進んでいく。ほとんど下りで登り返しの無いルートを淡々と下り、アスファルトが出てくると民家も見えてきてほどなく神社の前を通り過ぎ、車の通りが激しい道路に出ると目の前に正丸の駅が見えてきた。
ここまで降りてくると、午前中の寒さは度超え行ったのかと思えるあたたかな日差しが感じられる。でも、時折吹き付ける風はやはり北風かなと思えるものだった。自分なりに楽しめた山歩きと無線の運用となった。
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