DXペディションが終わりに近づいた4W8X東チモールがWW-CWに参加していた。オンリーワンのマルチなのでできるところは交信しておきたいところではある。3バンド目ぐらいの交信の時に、ナンバー交換の後に「TU TU」と繰り返してくれた。こちらも同じようにTUを2回繰り返す。過去に交信したことのあるopなのかな?きっとCWが好きなんだろうなぁ。DXペディションの中心はFT8になってしまったようだ。CWをやりたくてもスケジュールと目標交信数のためにFT8を重視せざる負えないのかもしれない。ほんのちょっとしたことなのだけれども、いろんな思考が広がっていた。短点と長点の組み合わせだけなんだけど、なんとなく奥深いものを感じる。
どの時間帯だったか?たしか21MHzだったと思う。EUに向けてマルチ稼ぎだと思ってVFOを回していたら、エコーのかかった信号でコールサインがはっきりわからない感じになっている。八木をまわしてロングパス方向にもっていっても同じようにエコーががかかっていて聞き取りにくい。回している途中にはっきりするところがあったが、明後日の方向に飛ばしても相手が気が付いてもらえない感じもする。以前、移動運用で21MHzのヘンテナを使っていた時に、コールしてくれた局の信号が全部つながっていてほとんど取れないことがあった。その時は辛うじて最初の文字がSだろうということだけはわかった。コンディションが良すぎるというのは時には交信を難しいものにすることもあるのかもしれない。結果的にどうするかというとほかのバンド(14MHz)に逃げた。エコーは薄かったので、なんとか判別できる感じだった。
QRPで参加することは、お空のコンディションも大事だが相手の受信能力にも委ねることになる。パイルの中で順番を待つことは自分の忍耐力も必要。時間がかかれば他の交信のチャンスも少なくなる。それでもQRPで交信できた喜びはある。100Wで運用することは、多くの局がベアフットの100W機を使用しているというところを考えると、ちょうどよい送受信のバランスになるのかもしれない。アンテナの性能は当然ある。でも送信と受信の両方に同じように有利不利が出てくるとすれば、コンテスト参加者のほとんどが同じような受信状態をしているのかもしれない。(もちろん多少の違いはある)
ハイパワー(1KW)の運用。これは当然ローパワーの局を相手にするわけだから、自分が聞いている信号は相手の聞いている強さのS二つぐらいマイナスのものを相手にしていることになる。相手はSが振っていなくても認識できれば呼んでくるわけだから、ノイズレベル以下の信号を長時間相手にすることになる。もう聴力検査の世界。ハイパワーって聞こえている信号を相手にするには楽で良いけれど、呼ばれる側になったときにはけっこう辛さのほうが強くなってくる。
コンテストを終えて感じたことは、100Wの運用ってバランスが良いなぁということだった。聞こえている信号を相手にするのもそれほど苦しくない。自分の信号が届いていなければ当然呼んでこないから、呼んでくる局はこちらの信号がそれなりに届いているわけで、反応も対応も良い感じで進む。
全交信の中で「/QRP」を付けて呼んでくる局が1局だけいた。コンテストではQRPの部門もある。でも、それとこれとは話が違う。コールサインに/QRPを付けるのは、その送信が終わるまで応答しにくい。他の局を拾っているときでも待つのは時間がかかるし、その間にコピーできている相手さえ2度目のコールを打ってくるときもある。/QRPが付いているからと言って優先的に拾うことはしない。なぜならばコールサインのほうが取れていない相手には反応しづらいからだ。後回しになっても待つだけの忍耐力は持っているのだろうか?正直なところ、コンテストの最中には迷惑な奴としか認識していない。
自分もQRPで運用するから、QRP局は好意的に思っている。普段の交信では(パイルでなければ)/QRPが付いていても構わないと思っている。でも、「私も5Wだよ。あなたのパワーは?」と聞いても、73しか返ってこない相手が少なからずいる。パワーを下げればその交信の信号は聞きやすいはずなのだから、多少は相手の言っていることに反応してほしいと感じる。自己訓練、頑張ってほしい。
最後の交信が終わったのが59分30秒くらいだった。一度だけCQを出した後にCLと打った。すると最後から一つ前に交信した縦振りらしい局がコールサイン1x1と73を打ってきた。思わずこちらもコールサイン1x1と73を打って答えた。交信できたことを喜んでくれたのかな? なんだかうれしくなってしまった。
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